理論通りに動作すれば高速なD-Waveだが、まだまだ解決すべき課題が存在する。
その一方で、D-Waveをしのぐ性能が期待できる新方式の開発も進んでいる。日本独自の「レーザーネットワーク方式」だ。
D-Waveマシンには、まだ乗り越えるべき課題がある(図1)。
一つめは、D-Waveマシンが本当に量子力学の現象(量子効果)を使っているのか証明することだ。これについては、「様々な検証によって、ほぼ確実だと見なされている」(西森教授)。具体的には、スイス・チューリッヒ工科大学や米国南カリフォルニア大学の研究者らが論文を発表している。
二つめの課題は、性能に関するものだ。D-Waveマシンに関して、実は「従来型コンピュータより高速に問題を解くことはできないのではないか」という疑問の声がある。