三菱東京UFJ銀行が、アジャイル開発と従来のウォーターフォール型開発を組み合わせた企業向けシステム開発手法である「エンタープライズアジャイル」を導入する。2014年9月にも社内の標準プロセスとして取り入れ、“攻めのIT活用”の実現を目指す。メガバンクが正式に採用することで、日本でもエンタープライズ分野におけるアジャイル開発の導入が加速する可能性が高い。

3種類の開発プロセスを定義

 エンタープライズアジャイルは、数週間の短いサイクルでシステムを段階的に開発してプロジェクトリスクを低減するというアジャイル開発の良さを生かしつつ、全体計画の策定や要件定義、設計といったウォーターフォール型開発の要素を加えたもの。三菱東京UFJ銀行は、システムの段階的な開発に計画、設計といった作業を組み合わせて、エンタープライズアジャイルの社内標準プロセスを策定する。従来は、ウォーターフォール型開発の開発プロセスしか基本的に認めていなかった。

 新たに取り入れる開発プロセスは「反復型1」「反復型2」「アジャイル」の3種類。いずれも「従来からある社内レビューや手続き、整備すべきドキュメントと整合を取るように規定した」と、アジャイルの導入を主導する大西純システム部システム企画室EAグループ上席調査役は話す。