日立製作所と日本ヒューレット・パッカード(HP)、EMCジャパンが複数のストレージを柔軟に管理・運用するための「ストレージ仮想化」を相次いで強化した。

 日立製作所は、離れた場所にある二つのデータセンター(DC)間でストレージの内容を常時同期させて、仮想的に1台のストレージとして扱える製品を2014年4月に発売。災害発生時に秒単位でバックアップ側のDCに切り替えることを可能にした。HPも日立製作所からOEM提供を受け、同じ仕様の製品を発売した。同種の技術を備えた製品は2010年にEMCジャパンが発売済み。日立とHPは先行するEMCを追撃する。

 日立が発売したのは、基幹系システムのデータベース(DB)などに向けたハイエンドストレージの最新モデル「Virtual Storage Platform(VSP)G1000」である。HPでの製品名は「XP7」。HPの場合、主力のストレージ製品はスケールアウトに適した「3PAR」シリーズだが、「スケールアウトを重視しない従来型のハイエンド品を望む顧客のために、XP7を用意した」(同社)という。

災害時にシステム停止させず移行

 G1000の最大の特徴は、災害や障害発生時にシステムをほとんど止まらないようにできること。バックアップ系への切り替え時に、少しの停止も許容できないといったニーズに応える。