今回はアプリケーションの要件にあったデータ処理モデルを決定します。処理モデルとは、データ処理や画面生成をモバイルデバイスとサーバーのどちらが実行するかを定めることです。このモデルを決定することで、アプリの開発環境や実行環境が絞り込まれます。

データを処理する三つのモデル

 データ処理モデルには、画面転送型、Webブラウザ型、スタンドアロン型の3種類があります(図1)。

図1●3種類あるデータ処理モデル

 画面転送型は、サーバーでデータ処理と画面生成を実行するもので、モバイルデバイスは転送された画面イメージを表示します。デバイス内にデータを保存しないため、モバイルデバイスでよくある紛失や盗難といった課題に耐性があります。

 スタンドアロン型は、モバイルデバイスがデータ処理と画面生成を実行するもので、サーバーはモバイルデバイスからの要求に応じて処理を実行します。高速な画面遷移や内蔵カメラ制御などをネットワークに依存せず端末内で処理するため、操作性や機能性に優れています。

 Webブラウザ型は、画面転送型とスタンドアロン型の中間といえます。HTMLデータをやり取りし、Webブラウザに表示するものです。サーバーはデータ処理を実行し、モバイルデバイスに表示させたい画面をHTMLで生成して、モバイルデバイスに送ります。モバイルデバイスでは受け取ったHTMLを基に画面を生成します(図2)。

図2●3種類あるデータ処理モデルのそれぞれの特徴