今回はモバイルの業務利用にあたって最大の課題となる、利用用途に適したハードウエアの選択について、考え方を整理します。

 ハードウエアの選択とは、業務アプリケーションの画面サイズとOSを決めることです。画面サイズは操作性や画面デザインを左右し、OSは開発環境や実行環境に影響します。

 モバイルデバイスを使った業務アプリではユーザーの操作性が非常に大きな意味を持つので、まずはデバイスタイプ(画面サイズ)の絞り込みから始めます。

デバイスタイプの絞り込み

 モバイルデバイスの選択肢には、スマートフォン、ミニタブレット、タブレットがあります。ここで、端末の表示量及び文字入力の難易度と、携帯性はトレードオフの関係にあります。企業にとって両者のバランスを取ることは難しい問題となります(図1)。

図1●デバイスタイプによる表示量、文字入力、携帯性の違い

 タブレットで標準的なビジネス文書(A4用紙、 文字サイズ10ポイント)を全画面表示した場合、文字がやや小さく表示されるものの、そのまま閲覧することができます。ミニタブレットではかなり見づらくなり、スマートフォンに至っては拡大なしに文字の判別は不可能となります。

 文字入力については、スマートフォンが指1本での入力が一般的なのに対し、タブレットとミニタブレットではソフトウェアキーボードのサイズが大きくなるため、両手を使った高速な文字入力が可能になります。特にタブレットで画面を横方向にした場合、PCの標準キーボードと同程度のサイズとなり入力が容易になります。

 つまり、表示と入力という基本機能は、画面が大きなモバイルデバイスが有利です。