企業内に急速に普及を遂げたモバイルデバイスは、よく小さなパソコンにたとえられます。ただし、パソコンと比べてユーザーインタフェースやセキュリティなど、企業内で利用するうえで考慮すべきところに、多くの相違点があります。

モバイルの最大ポイントとなるユーザーインタフェース

 初めに、ユーザーインタフェースに関して、知っておくべきモバイルデバイスとパソコンの違いと考慮点を解説します。

想像以上に少ない情報表示能力

 表1は、モバイルデバイスの情報表示能力をパソコンと比較した結果です。

表1●パソコンとモバイルデバイスの情報表示能力の比較
*ノートPCを100とした場合の値 **モバイル向けの小型ノートPCを想定

 表示量は画面の面積に比例します。このため、タブレットの表示量は13インチのノートパソコンの6割、スマートフォンでは1割程度しかありません。パソコン向けに作られた画面をモバイルデバイスにそのまま流用するのは難しいといえます。

 情報の閲覧ならスマートフォンでも、ピンチイン/ピンチアウト操作により、ある程度は表示量の少なさをカバーできます。しかし、複雑な表示や選択操作は画面サイズの大きなデバイスが有利です(で解説)。