格安SIMは、携帯電話事業者からネットワークを借りて事業を展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する安価な携帯電話サービス。端末に挿すSIM(Subscriber Identity Module)カードの形で提供する。

 モバイルデータ通信をメインとしているサービスが多いが、SMS(ショートメッセージサービス)や音声通話が使えるものもある。料金体系は多彩で、月額1000円以下の基本料金で提供されるサービスも多い。ただし安価な代わりに、通信速度を低く抑えていたり、月単位あるいは日単位でデータ通信量に制限を設けていたりする。データ通信量の上限値は、携帯電話事業者のものより大幅に低い場合が多い。

 LTEの開始により、携帯電話事業者のデータ通信サービスが概して高速・高価なものになり、それほど高速でなくてよい、あるいはデータ通信量がそれほど多くなくてよい、といったライトユーザーのニーズにマッチしなくなってきた。こうしたユーザーニーズに応えるために、MVNOによる格安SIMサービスが続々と登場している。

 ただし、SIMロックのかかっていない端末(SIMフリー端末)など、各サービスに適合する端末をユーザー自身が調べて調達する必要があるほか、MVNOごとに異なる「APN」(アクセスポイント名)を端末に設定しなければならないなど、初心者ユーザーにはハードルの高いサービスと言える。