「2011年に米国で小学1年生になった子供の65%が、今は存在しない職業に就くとの研究があります。こうした子供にどんな学びを提供できるのかが我々に課せられた使命」。ベネッセホールディングス インキュベーションセンター EdTech Lab 部長の森安康雄氏は、新しい教育が求められている背景をこのように語る(写真1)。
ベネッセ+クイッパー、マナボ
デジタル教材の作り方を変える
その解の一つが各学年一律で提供してきた教材を、一人ひとりに最適化した形で提供すること。こうした“個”の学びへの取り組みを、ベンチャーとの協業で実現した。そのうちの2社がクイッパーとマナボだ。
“個”の学びの実現には、どのような教材が適切なのか、そしてどのような開発体制が必要になるのか。その解を探るため、クイッパーが開発した学習プラットフォームを使って、ベネッセは2013年10月から12月末まで、小学6年生800人を対象に実証実験した(写真2)。
クイッパーの学習プラットフォームで作成したデジタル教材は、生徒の理解度や知識に応じて様々なパターンを同時に試したり、学習の順番を入れ替えたりといったことが柔軟にできる。これを分析すれば、生徒がどういった教材や機能に興味を持って学習を継続し、効果を高められるかが分かる。