米グーグルは2014年1月29日、米モトローラを中国レノボに29億1000万ドル(約3000億円)で売却すると発表した。モトローラブランドとそのポートフォリオを手に入れたレノボのスマートフォン戦略はどう変わるのか。手放したグーグルのエコシステムに及ぼす影響は何か。両社の思惑と今後を探る。

 モトローラと言えば、米国人にとって「携帯電話の代名詞」。そのモトローラを米グーグルは中国のレノボ(聯想集団)に売却する。売却額は29億1000万ドル(約3000億円)。この結果、グーグルはレノボ株の5.94%に当たる約6億1830万株を取得する。

レノボの狙いはハイエンド端末

 今回の売却によってレノボは、世界中で展開されているモトローラブランドと、「Moto X」や「Moto G」などの製品のポートフォリオも手に入れる。さらに2000件を超える特許資産も受け取ることになるが、2011年8月にグーグルがモトローラ買収を発表した際に獲得した特許の大半については、今後もグーグルが保有し続けるという。

 米調査会社のIDCによれば、レノボは2013年に世界で4550万台のスマートフォンを販売し、5位にランクインした(表1)。前年比で91.7%増と大きく伸びた。一方のモトローラは、お膝元の米国市場においても順調とは言い難い。2013年第1四半期には韓国サムスン電子、米アップル、韓国LGエレクトロニクス、中国ZTEに抜かれて5位になってしまった。

表1●2013年世界スマートフォン販売台数(メーカー別)