ブランク氏はかねてから「スタートアップ企業は大企業の小型版ではない」と語ってきました。それでは、逆に「既存の企業はスタートアップ企業の大型版ではない」も言えるのか。今回の投稿は、その仮説の検証がテーマです。(ITpro)

 私たちは、過去2~3年の間に、スタートアップ企業は大企業の小型版ではないということを理解しました。そして私たちは今、既存の企業はスタートアップ企業の大型版ではないということを学んでいます。

 既存の企業が、より革新的になる必要性について書かれたものはたくさんありますが、何がそれを拒むのかについて書かれたものは、ほとんどありません。

 革新的になろうと考えている既存の企業は、難題に直面しています。企業を効率的に運営できるようにする、すべての規定と手続きが、イノベーションを抑圧しているのです。

 このブログでは、既存企業が持つ構造的な問題を説明し、続くブログでいくつかの解決策を提供します。

 グローバル化、中国、インターネット、ブランド価値の低減、労働人口の変化などがもたらす継続的な破壊に直面して、既存の企業はイノベーション部門を構築しています。これらのイノベーション部門は、スタートアップ企業やアクセラレーターの手法、すなわち直接の競合よりも「破壊とイノベーション」、製品の機能増大よりも「顧客開発」、低コストよりも「俊敏さと速度」を採用したり、容認しようとしています。

 しかし、無尽蔵な資源を持っているにもかかわらず、既存の企業内のイノベーションは、スタートアップ企業によるイノベーションに比べてうまくいきません。ほとんどの既存の企業において、イノベーションは例外的に、超人的な努力で起こり、計画的に起こるのではなさそうです。なぜでしょうか。