ネットリテラシーを網羅「情報倫理」を説く

 情報教育の研究を手がける1989年発足の情報教育学研究会(IEC)が、最新のインターネットの動向を踏まえて「情報リテラシー」を網羅する一冊。学校教育で必要となるネット空間の知識や作法をコンパクトにまとめている。

 ただ知的財産からネット犯罪まで広範囲なテーマを取り扱っているため、既にネットに慣れ親しんでいる世代には、何を重点に伝えるかの工夫が必要。第1章の「インターネットと個人情報」や、終章にある「個人情報の漏えい経路」などの身近なリスクへの対処などに、何が必要か自ら想像する場面も求められよう。ネット空間での行動履歴がどう収集・利用されているかも、より深く知る必要がありそうだ。

イ ンターネットの光と影Ver.5


インターネットの光と影Ver.5
情報教育学研究会・情報倫理教育研究グループ 編
北大路書房発行
2052円(税込)