業務改革とそれを支える情報システム開発を同時に成功させる鍵は「あるべきビジネス」の構造をしっかり把握することです。そうすれば、業務改革のシナリオが書けますし、必要な情報システムを設計できます。

 その有力な手法が「コンセプチュアルデータモデリング」(概念データモデリング)です。本連載は、そば屋の例を使ってこの手法を解説していきます。第1回では、そば屋で「顧客から注文を受ける静的モデル」を描いてみました。今回は「調理場の中の静的モデル」を考えてみます。

そば作りの工程を考える

 調理場の中の工程は店頭のそれよりも複雑です。そこでまず、そば作りの概略工程を考えてみましょう。表記方法にこだわらず、こうだと思う工程を描いてみてください。筆者は次のように描きました(図1)。

図1●そば作りの概略工程
図1●そば作りの概略工程
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 蕎麦粉や水といった原材料から、商品としての「せいろそば」が出来上がるまでの工程とその過程に現れる中間品、そして完成品を表しています。