ネット専業の証券会社であるマネックス証券はアジャイル開発の先導役として、最高技術責任者(CTO)にオランダ出身の技術者、ピーテル・フランケン氏を据え、陣頭指揮を取らせている。アジャイル開発によるITシステムの内製化を得意とするフランケン氏は、新規システムを可能な限り小さく分割。アジャイル方式で内製開発して、リスクを抑えITコストを抑制している。

ピーテル・フランケンさん
出身:オランダ
マネックス証券 常務執行役員 CTO
(写真:新関 雅士)

 外国出身の人材がIT部門のトップを務める企業も登場している。ネット専業の証券会社であるマネックス証券では、オランダ出身のピーテル・フランケン氏が2011年12月から常務執行役員最高技術責任者(CTO)を務め、同社のIT戦略を束ねている。シティグループや新生銀行などでシステム部門の幹部を歴任してきた、20年来のITのベテランだ。

 フランケン氏が入社以来取り組んでいる変革が、アジャイル開発によるITシステムの内製化の推進だ。

 同社もかつては多くの日本企業と同じく、システムの開発を外部のベンダーに委託することが多かった。「スマートフォンのように顧客である投資家が使うデバイスは日進月歩。金融機関のシステムは、それ以上のスピードで変わらなければならない」(フランケン氏)。そのための施策として、アジャイル開発による内製化に舵を切った。フランケン氏はその先導役を担っている。