医療従事者向けネットサービスを手掛けるエムスリーは、英国出身のクリストファー・バーチャル氏を中心に、外国人技術者からなる精鋭チーム「スーパー外国人チーム」を立ち上げ、開発言語「Java」の次世代版とされる新言語「Scala」の本格導入を図っている。日本国内にまだ少ない、Scalaを使いこなせる技術者を探すため、これまで採用要件に掲げていた「日本語スキル」を撤廃した直後から、南米やロシア、インドなどから腕に覚えのある技術者たちが殺到してきたという。

左から クリストファー・バーチャルさん 出身:英国、 ヴァンサン・ペリカさん 出身:フランス、 ブライアン・タカシ・フーパーさん 出身:米国、 所属は3人ともエムスリー エンジニアリンググループ
左から
クリストファー・バーチャルさん 出身:英国
ヴァンサン・ペリカさん 出身:フランス
ブライアン・タカシ・フーパーさん 出身:米国
所属は3人ともエムスリー エンジニアリンググループ
(写真:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 「この会社の技術基盤を生まれ変わらせるには、自分たちが立ち上がるしかないと思った」。医療従事者向けサービスを手掛けるエムスリーの技術者で英国出身のクリストファー・バーチャル氏はこう語る。バーチャル氏は2014年3月に同社が立ち上げた外国人技術者からなる精鋭チーム「スーパー外国人チーム」の中心人物だ。

 ネットサービスを内製開発しているエムスリーでは、約40人いるエンジニアが日々、開発業務に追われている。「社内に新しい技術を導入してシステムの品質を高めたり、開発をしやすくしたりするには、誰かがその道を切り開く役割を担わなければならない」(バーチャル氏)と決意。エンジニアリンググループの上司に直訴し、社内にいる精鋭技術者を結集して社内の開発組織を“生まれ変わらせる”独立チームを組織する認可を得た。相談相手となった上司は、米国出身のブライアン・タカシ・フーパー氏。国籍にとらわれないグローバルな発想でバーチャル氏を支援してくれた。