米ゼネラル・エレクトリック(GE)や米シスコシステムズなど米国の大手企業5社が2014年3月、機械や各種インフラなどに設置したセンサーから情報を収集する「Internet of Things(IoT)」の普及推進団体を設立した。名称は「Industrial Internet Consortium(IIC)」。GEは2012年から同社版のIoTの概念「インダストリアル・インターネット」を提唱しており、その名を冠した。

 IICの目的は、製造業や交通機関、電力などのエネルギー、ヘルスケア、建設、防衛といった分野でのIoTの普及に向けて、会員企業同士でプロトタイプを構築したり、外部の国際標準化団体に会員企業の要望を取りまとめ、標準規格として提案していくことである。GE、シスコシステムズのほか、米AT&T、米IBM、米インテルが加わった。IoTのようなシステムは既にいくつかの企業が個別に手掛けているが、業界全体での標準規格が出来上がれば、今後、システムの構築作業を効率化できる。

 GEは今後20年間でインダストリアル・インターネットが世界全体のGDP(国内総生産)を10兆~15兆ドル(1000兆~1500兆円)押し上げると予測している。こうした甚大な経済波及効果を踏まえ、米5社はIoTの基盤となる標準規格を押さえる必要があると判断した。IIC自体は標準化団体ではないが、他の標準化団体と連携し、IoTに関連する通信方式やデータ形式などの標準規格に影響を及ぼすことを狙っている。