2014年2月17日に開催された、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による記者説明会。記者の数倍にも及ぶ発表側の関係者が会場を埋め尽くした。

宮田喜一郎

 話題の中心は「ISO13482」。介護ロボットをはじめとする、いわゆる生活支援ロボットの安全性に関する国際規格として2014年2月1日に正式に発行されたばかり(関連記事)。NEDOが関連企業と共に取り組んできた「生活支援ロボット実用化プロジェクト」(2009~2013年度)の大きな成果として、発表にも力がこもっていた。

市場拡大に期待も…

 今後の市場拡大が予測されている介護ロボット。その言葉に厳密な定義は存在しないが、一般には介護が必要な人などの身体機能や生活を支援したり、介護する人の作業を支援したりする機器を指す。

 現時点で、こうした介護ロボットは本格的な普及には至っていない。にもかかわらず、今後、市場拡大が見込まれているのは、少子高齢化社会の進行によって、介護が必要な人が増加すると同時に、介護する人が不足するためである。つまり、明白な社会ニーズが存在するというわけだ。

 では、なぜ本格的な普及に至っていないのか。