議論は広島県の桑原CIOの「コストに関してどんな工夫をしているか」との質問からスタートした。

 千葉市の三木CIO補佐監は「13年度予算は150万円で、協議会運用費だけ。コストがかかるのはレガシーシステムからのデータ抽出。知恵を絞って外部からファンドを得ないと活動できない状況にある。総務省の実証事業、日本マイクロソフトの協力などを得ている」と答えた。

 静岡県の大石専門監は「サーバーを外部データセンターに置くコストが数十万円。ただし、オープンデータ事業単独では予算要求せず、事務費の一部を充てている。アイデアソン、ハッカソンなど、データを集める工夫が必要」という。

 京都府の原田専門監は「防災系は総務省の2012年度補助金で2億円。アプリは総務省の事業費7000万円がついた。仮想基盤なので経費はそれほどかからない」と回答した。

田中 健一氏
田中 健一氏
鳥取県 地域振興部 情報政策課長

 他の自治体からも、報告が相次いだ。青森県は「オープンデータ戦略は14年4月から始める。産官学の勉強会の形で立ち上げる」(阿部専門監)。鳥取県は「13年度に商工関係部門と情報政策部門で、産官学のオープンデータ活用検討会を立ち上げ、データ形式や公開方法を検討中。14年度は、オープンガバメント鳥取推進事業とオープンデータ活用ベンチャー支援事業を実施する予定」(田中健一情報政策課長)だ。

 住民ニーズの把握の動きもある。徳島県経営戦略部情報システム課の山住健治専門幹は「統計部門と商工部門が中心となり予算を要求中。公開できるデータを統計部門で調査する。また、職員が簡単に公開できる形でデータを作成できるアプリを作りたい。14年度はニーズ調査を実施し、地理情報と組み合わせるアイデアソンも開催する」。