イギリス国内に3000店舗を展開する英国最大手の小売りチェーン、テスコ。実は、約45人のデータサイエンティスト集団を擁している。

 結成は2006年ごろ。当初は3人の小所帯だった。少数精鋭で立ち上げた組織は、あるサプライチェーン改革プロジェクトをデータ分析で成功に導き、5000万ドルのコスト削減効果を生み出した。

 データ分析の重要性を社内に知らしめたことから、組織を順次拡大。英国のトップレベルの大学から人材を採用し続け、ITエンジニアや数学者などからなる組織を作り上げた。

 テスコのデータサイエンティスト集団では、若手が活躍しているという。「23歳の女性メンバーは、ある分析プロジェクトで、年間3000万ドルのコストを削減した」。テスコでデータサイエンティスト集団を率いるダンカン・アプソープ氏はこう言って胸を張る。

気象データで売れ残り75%減

 データサイエンティスト集団は様々な分野で活躍する。その1つが、店舗に並べる野菜や食肉など生鮮品の需要予測だ()。

図●英テスコは気象データを基に生鮮品の販売数量を予測し効果を上げる
図●英テスコは気象データを基に生鮮品の販売数量を予測し効果を上げる
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