4月になり、今年も企業に多くの新入社員が入ってきた。これから就職活動(就活)を始める新就活生もいることだろう。ソーシャルメディアの普及により、これを就活に利用する「ソーシャルメディア就活」が広がっている。就活生が、情報収集や就活仲間とのコミュニケーションなどに使うほか、企業が就活生に向けた情報発信に使うこともある。

 筆者は以前、「何でもTwitterに書いちゃうんですよね」と言っていた大学3年生女子に会ったことがある。匿名にしているのかと思ったが、「プロフィールに大学名は書いてある。名前はローマ字にしてるだけ」という。しかも、「テストが悪かったとか大学サボったとか遅刻したとか、呼吸をするように書いてる。友達に、私が何をしてたか『Twitterを見れば分かる』って言われてる」。

写真1●ソーシャルメディアに自分の生活であったことを書き込む学生は少なくない。ただその内容が就職活動にマイナスに働くこともあるため注意が必要だ(写真はイメージ)

 このように、どんなこともTwitterにライフログのように書いてしまう学生は多い(写真1)。匿名にさえしていないケースも多い。就活を控えた身なのに、それで大丈夫なのかと心配になってしまうほどだ。

 というのも、企業の人事採用担当者が就活生のソーシャルメディアを検索するのは、もう常識中の常識だからだ。そして、書き込みの内容が理由で不採用となったケースも実際に出てきている。そうした場合、企業が不採用にした理由を就活生に伝えるとは限らない。

 実際米国でも、2009年3月にシスコから採用通知を受けた女子大生が、「Cisco offered me a job! Now I have to weigh the utility of a fatty paycheck against the daily commute to San Jose and hating the work.(シスコから採用通知がきた。高い給料と、サンノゼへ毎日通勤することと仕事が気に入らないことを秤にかけなくては)」というツイートをした後で、採用を取り消されている。