出張や旅行で、ホテルや旅館に泊まるとき、気になるのがインターネット環境だ。さすがに、ネットワーク環境がない宿泊設備は少なくなったが、基本は有線LANでの接続。まだWi-Fi(無線LAN)対応というのは少ない。自宅やオフィスでは当たり前のようにWi-Fi環境を使っていると、有線LANだけでは不便だ。特にスマートフォンやタブレットなど、基本的に有線LANに接続できない製品の場合、通信速度はもちろん、通信費も気になるところ。

写真1●ポータブルWi-Fiルーターは小さくて持ち歩きに便利。エレコムの「WRH-150」シリーズ。重さ12.5gと最軽量の製品。電源はUSBで供給する。
写真1●ポータブルWi-Fiルーターは小さくて持ち歩きに便利
エレコムの「WRH-150」シリーズ。重さ12.5gと最軽量の製品。電源はUSBで供給する。
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 そんな悩みを解決するのが、ポータブルWi-Fiルーターだ。メーカーによっては、ポケットルーターとか、ホテル用ルーターと呼んでいる。ホテルの部屋にあるLANポートに接続するだけでWi-Fi環境を構築できる製品だ。特徴は小さくて軽いこと。本体は100g以下で、厚さは2cm以下。旅先に持っていくのに苦にならないサイズだ(写真1)。価格も2000~7000円とお手ごろだ。

 据え置き型のWi-Fiルーターとの違いは、機能を絞り、ほぼ無線接続専用にして、徹底的に小さくしたこと。製品によってはLANポートを搭載している製品もあるが、基本は無線接続専用だ。アンテナ数を減らして通信速度は最低限のものにしている。ソフト面ではPPPoEの認証接続には対応しないので、例えば、NTT東西のフレッツなどのサービスには使用できない。

 対応するWi-Fi規格はIEEE 802.11n/b/gの2.4GHz帯が一般的だったが、昨年後半から11acに対応する製品も増え始めている。今回は、現在、大手量販店で販売されている「ポータブルWi-Fiルーター」について、製品選択のポイントをタイプ別に分類して解説しよう。