スマートフォンの普及とともに、SNS(ソーシャルメディアネットワーキングサービス)を利用するユーザーが増えてきた。スマートフォン購入してからSNSを始めたという人も少なくないだろう。

 SNSを日常的に使うユーザーにありがちな落とし穴は、何気なく公開している情報が、好ましくない振る舞いをする第三者(「ネットストーカー」と呼ぶ)によってユーザー本人を特定される危険性をはらんでいるということだ。本稿では、インターネットに潜むネットストーカーによって、自分がSNSで公開した写真などから様々な情報を収集される危険性があることを、実例を交えながら紹介していく。

位置情報のない写真から場所を特定できる

 近くの公園で子供が遊ぶ風景や、よく行く店舗の写真をSNSに気軽にアップしている人はいないだろうか。ソーシャルメディアで公開された画像は、削除されることなく半永久的にインターネットの中を漂う。これは、googleやyahooなどの検索エンジンやアーカイブサービスが取得したり、写真収集を好む人のハードディスクに記録されたりするためだ。

 トラブルになる例として有名なのは、写真の撮影時にスマートフォンやデジタルカメラがGPS(全地球測位システム)と連携して位置情報を埋め込んだ場合。これが原因となって、本人が意図しないうちに撮影した位置情報までを公開してしまい、それを基に住所やよく使う施設を特定されてしまうという問題だ。

 ではこうした画像データに埋め込まれる位置情報に注意すれば大丈夫なのだろうか。実は写真データが位置情報を持たなくても、その位置がどこか類推する技術が、誰でも使える状態で公開されおり、それを悪用するネットストーカーも存在している。

 実際にネットストーカーが、どのようにターゲットを絞り込むか、具体例で検証してみよう(ただし、ここで公開した手法を悪用される恐れもあるため、一部情報を緩めて記述していることお断りしておく)。