国内で他社に先駆け、AndroidにおけるNFCソリューションに取り組んできたブリリアントサービス。2012年のA3 2012にBeyond Android賞を受賞した「NFC QUEST」は、RPGとスタンプラリーの要素を盛り込んだ“ネットとリアルをつなぐ”システムで、今で言うO2Oの概念を先取りしていた。エンタテインメント性の高い企画を担当した同社プランナーの有川光太氏に、受賞後の取り組みや事業の広がりについて聞いた。


受賞当時(2012年春)、スマートフォンにおけるNFCは広く浸透する前の技術でした。A3への応募のきっかけは何だったのでしょう。

 力試しの意味合いと、NFCを世に広めたいという思いからですね。あの時点で、会社としてもこれからNFCの時代が来るという読みがあったんです。

ブリリアントサービス 品川開発部 ブランド戦略グループ 企画デザインチーム プランナー 有川光太氏
ブリリアントサービス 品川開発部 ブランド戦略グループ 企画デザインチーム プランナー 有川光太氏
左は同社の品川事業所入口に掲げられているA3の表彰状
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 昨年辺りからO2O(オンライン・ツー・オフライン)が騒がれましたが、弊社としては当たり前のことでした。なぜなら生活の中でネットとリアルは連携せざるを得ないからです。それをつなぐ部分がモバイルデバイスになるはずだと。要するにトリガーを何にするかということですよね。そこで我々が選んだのは「NFCでタッチする」というトリガーでした。言うなれば「NFCでこういうことができるんだよ」というプロモーション的な意味合いで制作したものなんです。

RPGとスタンプラリーというゲーム要素を盛り込んだのが斬新でした。

 どうしても日本だとおサイフケータイのイメージに引っ張られてしまい、当初NFCは決済利用にしか目が向いていませんでした。私はもともとゲーム会社にいたので、NFC QUESTは仕組みを作ったときから手応えがありましたね。結果的に、我々はエンタテインメントでも使えることを実証しましたから。