トーンコネクトの加畑健志氏、通称「カバヤン」として知られるこの人物は、Android界隈の有名人だ。自らエンジニアとして活動する傍ら、2010年11月、東京・渋谷に週1回のみ営業する「Bar android」をオープン。Android関係者が集う親睦の場を提供し、草の根レベルで業界の発展に寄与してきた。その加畑氏が「Toneconnect」で「アプリ/Webサービス賞」を受賞したのは、2011年の震災支援コンテスト「A3 Together」だった。その後、アプリ名を冠した株式会社をニッポン放送の協力の下に設立するなど、精力的に活動を続けている。


Toneconnectの開発には、2011年の東日本大震災が深く関わっています。

 2011年の8月にA3 Togetherに向けた震災支援のトークセッション(「Bar android@海でやります!」)を横須賀の野比海岸で開催したんですが、そのときによっぴー(ニッポン放送の吉田尚記アナウンサー)も参加してくれて。そこでラジオの持つ力を再認識したんです。テレビの場合は、よほど大きな画面じゃないと100人が同時に見るのは難しいじゃないですか。でもラジオなら音を大きくすれば同時に100人に情報を伝えることができる。そこから「ラジオの音を通して震災情報が載っているURLを送れたらいいよね」というアイデアを吉田さんと話し合った末に生まれたのがToneconnectというアプリです。

トーンコネクト 代表取締役CEO 加畑健志氏
トーンコネクト 代表取締役CEO 加畑健志氏
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 アプリから流れる音は、当初からDTMF(電話機のプッシュ音)にこだわりました。なぜなら、世界中の人々が認識できる音だから。例えば今度の東京オリンピックで、多数訪れる外国の方に使ってもらい、観光情報を送ることもできるわけです。