「パーソナルコンピュータの父」として知られる米国の計算機科学者アラン・ケイ。パーソナルコンピュータの理想像とされる「Dynabook(ダイナブック)」という言葉を初めて世に出したのが、「すべての年齢の『子供たち』のためのパーソナルコンピュータ(A Personal Computer for Children of All Ages)」というエッセイである。
このエッセイは1972年8月に米ボストンで開催されたACM National Conferenceの予稿集に収録された。すべてがここに書かれた通りにはなっていないが、今から40年以上も前、大型コンピュータの全盛期に未来(現在)の一部を予測していたことに驚かされる。
この4月から新生活を始める子供たち・若者たちがたくさんいる。これら未来あるすべての人に向け、ITproでは同エッセイの全文(和訳)を5回に分けて掲載する。
本文は、「小学生からはじめるわくわくプログラミング」(阿部 和広著、日経BP社刊)から転載した。
[目次]- 第1回 ジミーとべスが使う「DynaBook」、1972年に書かれたパソコンの姿
- 第2回 DynaBookはコミュニケーションの道具、「行為によって学ぶ」手段を子供に
- 第3回 目標価格は500ドルで重さ2キロ弱、未来のパソコンDynaBookの見取り図
- 第4回 40年前にあったタッチパネルの原型、アラン・ケイが考えた入力装置
- 第5回 プロセッサーからコストまで、アラン・ケイがDynabookに託した夢