地域医療連携ネットワークに期待される役割は、様々な分野へ垣根を越えて広がりをみせています。今回はそのうち、在宅医療・介護の連携について話をします(図1)。

図1●地域医療連携ネットワークが広がる分野
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 皆さんは、医療・介護に関わる「2025年問題」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。これは2025年までに団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、国民の4人に1人が高齢者になるだけでなく、日本各地で病気にかかったり、要介護の状態になったりする国民が急激に増加することが予測されるものです。

 こうした将来が予測される中、在宅医療や介護を含む地域での包括的なケアのための仕組みを今から作り上げていく必要に迫られています。

 第二次世界大戦前の日本では、多くの国民は自宅で亡くなったといわれています。戦後の1950年代でも約8割の人が自宅で亡くなっていたようですが、1970年代後半に逆転し、2008年では逆に約8割の人が病院で亡くなるように変化しました。以下にそれが如実にわかる人口動態統計からの数字を示します(図2)。

図2●死亡場所の推移
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