Officeがインストールされていない環境でも、Office文書をフル活用したい――。そんなときに有効なのが、JavaアプリからOffice文書を操作する方法です。これには、Apache POIというライブラリを利用します。
Apache POIは、表1のようなコンポーネントから構成されており、Excelのみならず、Word、PowerPoint、Outlook、Visio、Publisherなどなど、Office製品全般をJavaアプリから操作できる高機能なライブラリです。Excel、Word、PowerPointでH~、X~で始まるコンポーネントがあるのは、Office 2003以前(H~)に対応するコンポーネントと、Office 2007以降(X~)に対応するコンポーネントとが分かれているためです。
コンポーネント | 機能 |
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POIFS | Microsoft OLE 2ドキュメント形式の操作(POIのコア) |
HPSF | Office文書のプロパティ情報を操作 |
HSSF/XSSF | Excelの操作 |
HWPF/XWPF | Wordの操作 |
HSLF/XSLF | PowerPointの操作 |
HSMF | Outlook形式のメッセージファイルを操作 |
HDGF | Visioを操作(読み取り専用) |
Apache POIの基本
Apache POIは、公式サイトのダウンロードページから入手できます(図1)。「poi-bin-3.9-20121203.zip」(3.9-20121203はバージョン番号と日付)をダウンロードして解凍(展開)し、配下の.jarファイルをビルドパスとして設定します。対象となるのは、「poi-3.9」フォルダーの中にある「poi-examples-3.9-20121203.jar」を除く.jarファイルと、「ooxml-lib」フォルダー配下のすべての.jarファイルです。