Microsoft Officeには、「VBA(Visual Basic for Applications)」というプログラミング機能が標準で備わっています。特にExcelのVBAは、プログラマだけでなく、一般のビジネスパーソンや学生にも広く使われています。手作業では面倒な繰り返し作業を自動化したり、標準機能では不可能な操作を可能にしたりと、Office活用の幅を大きく広げてくれるスグレものです。

 本特集ではまず、このVBAを使ったプログラミングによって、Officeの機能やデータをフル活用するノウハウを解説します。さらに後半では、VBAだけでなく、Web APIとの連携から、JavaScriptによるVBAコンポーネント開発、PHPアプリやJavaアプリからのOfficeデータ操作、.NET FrameworkによるExcelアドイン開発まで、より高度なテクニックも多数紹介しましょう。

VBAの基本とVBEの使い方

 ここで、VBAに慣れていない人のために、VBAの開発環境である「Visual Basic Editor」(以下、VBE)の使い方を再確認しましょう。OfficeでVBAを使うには、リボンに「開発」タブを表示させておくと便利です(図1)。その左端にある「Visual Basic」ボタンを押すとVBEが起動します(図2)。「標準モジュール」を追加するとコードウィンドウが開くので、そこにVBAのコードを記述します(図3)。

図1●Office 2010/2013では、リボンを右クリックして「リボンのユーザー設定」を選択。開く設定画面でメインタブの一覧にある「開発」にチェックを入れてタブを表示させる
図1●Office 2010/2013では、リボンを右クリックして「リボンのユーザー設定」を選択。開く設定画面でメインタブの一覧にある「開発」にチェックを入れてタブを表示させる
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図2●「開発」タブで「Visual Basic」ボタンを押し、Visual Basic Editor(VBE)を起動。「挿入」→「標準モジュール」を選ぶ
図2●「開発」タブで「Visual Basic」ボタンを押し、Visual Basic Editor(VBE)を起動。「挿入」→「標準モジュール」を選ぶ
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図3●追加された「Module1」などの標準モジュールのコードウィンドウに、VBAのコードを入力する。コード内にカーソルを置いて「実行」ボタンを押すと実行される
図3●追加された「Module1」などの標準モジュールのコードウィンドウに、VBAのコードを入力する。コード内にカーソルを置いて「実行」ボタンを押すと実行される
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