10代の子どもたちは、ネットで他人と知り合い、その相手と実際に会うことに抵抗がないと言ったら、驚かれるだろうか。しかしそれは事実だ。

 ごく普通のどこにでもいる子どもたちが、自分が対面している危険の大きさを知らないまま、好奇心に導かれ、ネットで他人と知り合いになり、その相手と現実に顔を合わせている。

「あいつ、モバゲーで知り合った彼女と別れたんだって」

ネットを通じて知り合ったあと、直接会って交際に発展する場合もある(写真はイメージ)

 数年前、関東地方のある高校に取材で行ったとき、廊下である男子高校生が目の前を通っていった。それを見た生徒たちが、おしゃべりをやめて噂話を始めた。「あいつ、モバゲー(現Mobage)で知り合った彼女と別れたんだって」――。

 ちょうどその場にいて、驚いた表情を浮かべた筆者に気付いて、生徒の1人が親切に教えてくれた。「あ、さっきのやつ、モバゲーで兵庫の女子高生と知り合って、付き合ってたんですよ。何回か会っていたみたいで。ちょっと前に別れて落ち込んでるらしいです」と言って、周りにいた生徒に「学校では有名な話だよな」と同意を求めた。

 その生徒は見た目に派手さはなく、素朴な感じがする高校生だった。そんな普通の子どもがネットで出会った相手と交際していること、そして関東地方と兵庫県という縁がなかったはずの高校生同士がゲームサイトで知り合って直接顔を合わせていることに、筆者は衝撃を受けた。

 思わず、「そういうことって普通なの?」と教えてくれた生徒に聞いてみた。生徒たちは顔を見合わせ、「そんなに多くはないけど、いることはいる」と答えた。

最近の中学生はLINE、高校生はTwitterで知り合っている

 先ほどの話は、サイト監視などによって、Mobageをはじめとするゲーム系サイトでの会員間のメッセージに対する規制が厳しくなる前のことだった。