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理論化できないももクロ、クラスターを破壊する急進的イノベーション

2014/03/28
桐原 永叔=IT批評 編集長 (筆者執筆記事一覧

 4回にわたって、ITサービスとの関連のなかから、ももいろクローバーZの人気の秘密について、読み解いてきた。見えてきたのは、消費行動を可視化、理論化を押し進めるAKB48のようなITサービスの潮流とは、まったく異質なものが大きな人気を得ようとしている現状である。最終回は、ももいろクローバーZの活動と、その人気が示したものに、どんな可能性があるのかを探っていく。


2013年10月9日、「ITpro EXPO 2013」に登場したももいろクローバーZ
(撮影:岩元直久)
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 最後に音楽産業に起きたイノベーションの話をしたいと思う。レコード会社は長らくコンテンツビジネスの雄であったが、今世紀の入り、軒並み苦境に立たされていることは周知のとおりだ。IT技術の発達とインターネットの普及によって、音楽コンテンツはダウンロードされ、コピーされるよういになり、レコード・レーベルは急激な衰退を余儀なくされたのである。

 音楽コンテンツのネット配信というイノベーションがもたらしたものは、それまでの音楽産業に起きた数度の変化とはまったく違ったものだった。72回転のSPから33回転のLP、録音技術のデジタル化、レコードからCDといったこれまでの変化は、既存の企業にとって決して不利に働くことがなかった。

顧客を創造しえなくなった既存のレコード・

 しかし、CDからネット配信への変化は、まったく連続性なく破壊的に、ラディカルなイノベーションとして訪れ、既存のレコード・レーベルはもはや、ドラッガーの言葉を借りれば、顧客を創造しえなくなったのである。

 新たな顧客を創造し始めたのは、IT企業とイベント興行企業である。1曲ごとにネットからダウンロードされることによる「シングルへの回帰」と、音楽がイベントとして消費される「フェスの隆盛」である。

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