2014年2月に開催された「Mobile World Congress 2014」で、大きく注目を集めていたのが米Mozillaの「Firefox OS」だ。国内でもFirefox OSに向けてアプリを提供する動きが進みつつある。その動向を確認していこう。

“25ドルスマホ”で注目を集めるFirefox OS

 スペイン・バルセロナで2月に開催された、携帯電話・モバイル関連の世界的な見本市イベント「Mobile World Congress 2014」(以下MWC)。今年はスマートフォンが新興国で広がりを見せつつあることから、新興国に向け低価格でスマートフォンを提供するための取り組みが、最も注目を集めた。会場では、新興国向けの低価格モデルに強みを持つ中国のスマートフォンメーカーや、Androidを採用し価格を抑えたノキアの「NOKIA X」シリーズなどが話題になっていた。

写真1●MWCで注目を集めたFirefox OS
写真1●MWCで注目を集めたFirefox OS
スマートフォンの低価格化を実現する取り組みを進めている。
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 そうした状況下で、MWCで来場者の強い関心を引いたのが「Firefox OS」である(写真1)。Firefox OSは、Webブラウザー「Firefox」などを提供する、非営利団体のMozillaが開発・提供しているOSのこと。オープン性を重視し、Web技術がふんだんに取り入れられており、HTML5でアプリを開発できる点が大きな特徴だ。

 ではなぜ、MWCでFirefox OSへの関心が高まったのかというと、Firefox OSが主として新興国に向けた取り組みを積極的に進めているためだ。実際、Firefox OSを搭載したスマートフォンは既にいくつかの国で販売されており、いずれも新興国に向け性能を抑えた、低価格モデルとなっている。