第3回までは、日本における携帯電話端末の修理実態や電波法における「技術基準適合証明」(いわゆる「技適」)、そして北米における「第三者修理」の状況について解説してきた。最終回となる第4回では、これらの課題に対応し総務省で進められている電波法改正について、その経緯と期待される効果、そして今後の見通しを解説する。

電波法の一部を改正する法律案が閣議決定

写真1●2014年2月に閣議決定された「電波法の一部を改正する法律案」に盛り込まれた「第三者による携帯電話端末の修理に係る規定の整備」
写真1●2014年2月に閣議決定された「電波法の一部を改正する法律案」に盛り込まれた「第三者による携帯電話端末の修理に係る規定の整備」
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 2014年2月14日、「電波法の一部を改正する法律案」が閣議決定された。3年に一度の電波利用料額の見直しなど、電波利用料絡みの改正がその多くを占めるが、「その他の改正事項」として「第三者による携帯電話端末の修理に係る規定の整備」が盛り込まれた。(写真1

 その中身を説明する前に、同項目が盛り込まれるまでの経緯を説明しよう。遡ること3年半前の2010年初冬、野村総合研究所(NRI)は総務省に対して、日本の携帯電話端末の修理に関わる提案を行った。これは工事設計認証を受けた製造業者(端末メーカーとその委託修理事業者)が修理する場合に限り「技適」が維持されるという法制度に対して問題提起したもの。