第1回では野村総合研究所(NRI)が実施した、消費者調査の結果などを踏まえて、携帯電話端末の故障・修理の実態をレポートし、第2回では携帯電話の修理に関する日本の法的枠組みについて整理した。

 第3回となる今回は、米国における携帯電話修理の実態について記述する。

米国でも急増している「街の修理事業者」

 日本では、携帯電話端末を非正規に修理する事業者を利用しているユーザーが増加しており、過去2年間で37万人程度の利用者がいると推計されると第1回で書いた。米国でも日本同様に、メーカーの認定サービスプロバイダ以外の非正規の修理事業者が増えている。

 米国の調査会社IBISによると2000以上の事業者が存在し、市場規模は約11億ドル(約1100億円)であると推計されている。その形態も多様で、例えば2009年にオーナーが経営するレストラン内に店舗を作ったことで始まった「UBREAKIFIX」をはじめとする、店舗で修理を手掛ける事業者が多く存在している。さらにDIYの盛んな米国らしく修理キット(部品+部品交換に必要な工具)の販売を主としている事業者も存在する(写真1)。

写真1●UBREAKIFIX社のiPhone5修理のメニューと料金の一部
写真1●UBREAKIFIX社のiPhone5修理のメニューと料金の一部(http://www.ubreakifix.com/repairs/&path=222)
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