企業のマーケティング活動の中で、ソーシャルメディアは既に“新しいもの”ではなくなっている。ある調査によると、従業員100人以上の企業のうち、87%が何らかの形でソーシャルメディアを活用しており、その数は今後も増え続けていくと見られている。日本でも、その傾向は変わらない。業界、業種を問わず、様々な取り組みがなされてきた。

 しかし、一方で依然変わらぬ課題が存在し続けている。一つは、もう何年語られ続けているかわからなくなった「効果測定」の課題。そして、もう一つが今回取り上げる「ネガティブな発言への対応」である。

 効果測定に関しては、特に米国では2年ほど前から、ソーシャルメディアによる施策を適切に評価するための考え方や、効果測定指標などが徐々に進化し、整備されてきた。それに合わせるかのように、ソーシャルメディア戦略や施策を運営、分析するためのツールなども増えてきている。こういった流れの中、長年の課題といわれ続けていた効果測定は、解決に近づいてきたように感じられる。

 ところが、もう一つの課題である「ネガティブな発言への対応」に関しては、いまだに多くの企業が悩んでいるようだ。

 2014年2月に米国のソーシャルメディアマーケティングに関するトレーニング機関である「Social Media Marketing University(SMMU)」が、企業のマーケティング担当者を中心に独自に実施した調査によると、全体の約25%にあたる企業が「ソーシャルメディア上のネガティブな投稿に対して、現時点で対応策は存在せず、今後も対応策を作る予定はない」と回答している。