スマートフォンが携帯電話の主流になった2012年頃から、スマートデバイスに続く次の時代のプラットフォーム探しに火がつき始めた。21世紀のスマートデバイス革命の火付け役であるアップル創業者のスティーブ・ジョブズが逝去したことや、その評伝の執筆者によって、彼が新しいテレビの構想を思いついたと言い残していたことが伝えられたことも大きく影響した。

 スマートデバイス、特にiPhoneは、世界的なヒットアプリを出せば数日間で数億円単位の利益を上げることも可能なアプリケーション市場として、多くのソフト開発者を惹き付けたが、アプリの本数が60万本を超えた当たりからアプリ開発競争も一段落し始めた。

 実はそれに代わって伸び初めたのがスマートデバイス連携製品だ。

 iPhoneやiPadと合体するスピーカー製品などは早くからあったが、この頃からiPhone/iPadと連携する玩具なども増え始めた(写真1)。例えば胸の部分にiPhone(またはiPod touch)を挿入できる幼児用の人形がある。そのままではただの人形だが、iPhoneで対応するアプリを入れるとiPhone部分から声が出て人形と対話が楽しめたり、揺さぶったりタッチして反応を楽しむことも出来る。

写真1●iPhoneと連携する玩具 iPhoneを中に入れると、犬のキャラクターを育てられる

 このように製品にGPS位置情報やタッチ操作、加速度や傾きの検出、音声入出力、カメラ機能、バイブレーション機能などを追加する部品としてiPhoneやiPadを活用する玩具がこの時期から急増し、米国の玩具売り場で一大コーナーを築くまでになった(Androidでは端末の大きさにあまりにバラツキがあるため同様のことができない)。