パソコンには3つの生みの親がいる。インテル、アップル、そしてマイクロソフトだ。

二人三脚で始めたアップル、マイクロソフト

写真1●小型プロセッサ(CPU)「Intel 4004」

 1970年代、1部屋を埋める巨大コンピュータが当たり前の時代に、個人用(パーソナル)コンピュータがつくれるようになったのは、インテルが、日本のビジコン社の嶋正利氏と共にシングルチップ、つまり手のひらにのる1つのチップで、コンピュータ命令の処理ができる小型プロセッサ(CPU)、「Intel 4004」(写真1)を生み出したのがきっかけだ。ここから機械好きのホビイスト達の間で、コンピュータの自作が始まる。

 1975年、ホビイスト向けに商品化された最初のコンピュータ、Altair 8800(写真2)に、BASICと呼ばれる、極めて自然な英語に近い形式でプログラムが書ける言語を販売する会社としてマイクロソフトが誕生する。

写真2●Altair 8800

 70年代後半、まだソフトウエアプログラムは、ハードのおまけと見られていることが多かったが、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツは「ソフトウエアに対してもちゃんと対価を支払うべきだ。そうでないと質の高い、良いソフトが育っていかない」というオープンレターを書き、当時、話題を呼んだ。このオープンレターについては、アップルのジョブズもソフトウエア産業を築いたきっかけだとして高く評価している。