プラットフォームを制した者だけが時代の覇者となる。主戦場を次々にかえながら、覇者がめまぐるしく交代し続けるデジタルプラットフォームの世界。

 しかし、覇者の座を常に狙える企業はいくつかしかない。

 アップルコンピュータ(現アップル。社名変更は2007年だが、以下「アップル」で表記)は、1984年に発表した初代MacintoshのOS(Mac OS)で、今日のパソコンの原型をつくった。マウスを使ってアイコンやメニューをクリックするスタイルをビジネス用ではない一般向けパソコンで真っ先に採用したのだ。しかし、その革命をより多くの人々に広げたのは11年後に登場したマイクロソフトのOSであるWindows95だった。

 一時期アップルは経営難に陥るが、共同創業者であるスティーブ・ジョブズが舞い戻り指揮を執り始めるとすぐにヒット作のiMacを発表し、そこから快進撃を始める。

 2007年には新時代のスマートフォンiPhoneを発表し、マイクロソフトのWindows Mobileを蹴散らしてしまう。

 本特集ではデジタルプラットフォームの世界の栄枯盛衰を振り返ってみたい。