レーシングドライバーのアイルトン・セナ(1960-1994)の走りは世界中を驚かせ、魅了していた。1994年、レース中の事故が原因で急逝し、今はもうその走りをじかに見ることはできない。
だが紙で残っていた記録を基に現代の技術力で“再現”した作品がある。
エンターテイメント部門大賞「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」
文化庁メディア芸術祭でエンターテイメント部門大賞を受賞した「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」がそれだ(写真1)。
本作品は広告分野でも高い評価を得ている。優れた車の広告を表彰する「Automobile Advertising of the Year Awards」のオンラインビデオカテゴリーでトップ賞を受賞している。またデジタルメディア協会が主催する優秀なデジタルコンテンツの制作者を表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー‘13/第19回AMDアワード」において年間コンテンツ賞の優秀賞も受賞している。
純粋なアート作品というよりはホンダの広告としての側面もあり、これまで紹介してきた作品とはやや性質が違う。とはいえエンターテイメント部門では企業や製品が関係する作品は珍しくない。日常に目にする広告にアートの要素が含まれ、それが評価されるというのは喜ばしいことだと思う。