動画はこれまで幾度となく注目されてきた。USENが2005年に鳴り物入りで動画配信サービス「GyaO」を始めたが、事業展開がうまくいかず、2009年にはヤフーに売却。その間、グーグルの「YouTube」やドワンゴの「ニコニコ動画」をはじめとした投稿系の動画共有サービスが本格的に立ち上がり、ユーザーを拡大していった(図1)。

図1●ネット動画に関連する主な動き
図1●ネット動画に関連する主な動き
米グーグルに続き、米ツイッターや米フェイスブックも動画対応を強化しており、注目度は高い。
[画像のクリックで拡大表示]

 今、動画が熱いとされるのは、主に広告・マーケティング分野である。グーグルの動画広告「TrueView」は有名だが、米フェイスブック傘下のインスタグラムが2013年10月に動画広告の導入を発表。さらに日本のヤフーが2013年11月にビデオ広告事業への本格参入を表明したため、「2014年は動画元年」との機運が一気に高まった。

 一方、ユーザーによる動画の閲覧も着実に伸びている。「最近はYouTubeに自社の動画を掲載し、FacebookやTwitterで誘導するのが定石。アイデアが良ければ口コミで一気に広がる。大手企業をはじめ、そのための予算をしっかり確保して先行者利益を得ている企業もある」(アライドアーキテクツ 社長室ソーシャルメディアマーケティングラボの藤田和重編集長)。動画は自社に関係ないと見限らず、常に最新動向を把握してうまく取り入れたい。