近年、設備や作業、運営体制が多岐にわたるとともに複雑化していることから、非常に多くのヒューマンエラーが発生しています。それに頭を抱えている人も少なくないでしょう。
本を調べても、難しい言葉が羅列されており、対策を考える人にとっては、何をどう考えたらよいのかがよく分からないところです。
私がいつもセミナーや研修でお伝えしているのは、人それぞれの心の中の話(これを心理学では臨床心理と言うそうですが)をどうのこうの言っても、それは結局、その人だけに向けた対策にしかなりません。同じ作業をする、他の人への対策にはならない場合がほとんどです。
もっとも、刑事事件のように、人の心理にまで入り込まないと真相を究明できないケースも確かにあります。それはそのようなこと(責任の追及)を生業としている人がすればいいことです。
一方、私たちは同じ職場のなかで、責任の追及をしてはならず、再発防止策を導くために必要な原因の追究だけをすればいいのです(もちろん、過失を念頭に置いて、故意にやった場合は別です)。
では、私たちはどのような方向に「なぜ」を進めていくと、再発防止策につながりやすくなるのでしょうか。以下に、キーワードを列記します。
- 見間違い
- 聞き間違い
- 言い間違い
- 入れ間違い
- 取り間違い
- 押し間違い
- 読み間違い
- 書き間違い
- 打ち間違い
- 判断間違い
これらは最近、製造現場だけではなく、システム開発現場など、様々な職種や業種でも増えており、そのなかから得られたものです。