LINEやTwitterなどソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の話は中学/高校生以上のこと――そう考えている保護者はいないだろうか。SNSの利用年齢は今や、小学校中学年まで下がっている(写真1)。

あらゆる端末がネット機器に

写真1●SNSの利用年齢は今や、小学校中学年まで下がっている(写真の人物は本文とは関係ありません)

 ある小学4年女子(仮に「A子」とする)の話をしよう。クラスで流行っているLINEをどうしてもやりたいと思ったA子は、毎日のように母親にスマートフォンの購入をねだっていた。ところが母親は、LINEにまつわる事件が多く報道されていることから、「LINEは危険らしいからやってはいけない」「スマートフォンはまだ早いからダメ」と取り合わなかった。

 そんなある日、A子は「WALKMANが壊れてしまったから新しい機種がほしい」と訴えた。スマートフォンの購入にはダメ出しをしていた母親が、それならと買い与えたところ、あっという間にWALKMANにLINEをインストールして使い始めてしまったという。「まさか音楽を聴く機械でLINEが使えるなんて思ってもいなかったんです…」と母親は困惑していた。

 かつてのWALKMANしか知らない世代は気づかないかもしれないが、WALKMAN FシリーズはスマートフォンのOSであるAndroidを搭載し、GooglePlayストアに対応している。通信機能として無線LANもついている。つまりLINEアプリをインストールして、使える端末だったのだ。A子は友達から聞いてこの端末ならLINEが使えることを知り、親にねだったというわけだ。

 スマートフォンは買ってもらえないけれどLINEを使いたい子どもたちは、その裏でしっかりと情報を収集し、一見LINEが使えそうにない端末を保護者に購入させ、まんまと利用を始めている。iPhoneの代わりに買い与えたiPod touchや、学習用教材として親が与えたタブレットで、LINEを使っているというケースは非常に多い。

 ニンテンドー3DSやPlayStation Portableなどのゲーム機も無線LAN機能を使ってネットに接続できる。保護者が知らずに与えている端末で、子どもはインターネット上のサイトを見放題で使っているという例は枚挙にいとまがない。