写真:新関 雅士

上場3社の独壇場だった会計事務所向けシステム市場に切り込んだ森崎利直氏。
森崎氏が61歳で起業したアカウンティング・サース・ジャパン(A-SaaS)は、創業から4年半の間に約5%のシェアを獲得し、2017年度には15%を視野に入れる。
クラウドを武器に、「日本全国の中小企業を元気にする」と力を込める。

 北は稚内から南は沖縄まで、日本の中小企業を元気にする。これが創業当初から変わらない理念です。会計事務所は日本におよそ3万2500ありますが、その大部分は従業員20人以下で年商1億円未満といった規模。彼らが全国の中小企業を支えているんです。

 アカウンティング・サース・ジャパン(A-SaaS)を設立したのは2009年。それ以前は、地域航空会社の社長やブロードバンド敷設企業の副社長を務めた経験があります。いずれも地域経済に貢献できるという思いがありましたが、なかなかうまくいかなかった。なぜかと考えた時、地域の活性化には交通インフラや通信インフラだけではダメで、“人”のインフラが不可欠だという結論に至ったのです。