「明日の株価はどうなる?」
「アフリカではどんな服装が流行するのか?」
投資家や企業の新興国開拓者はもちろん、一般の人々にも「これから起こること」を見通したいという気持ちがあるだろう。
ビッグデータの全盛時代を迎える米国では、そんな需要を捉えた企業が続々登場している。日本では消費者の購買履歴からその属性や関心を追う分析がまだ主流。一方米国では、分析データを生かして、その先を見通す「予測」へとトレンドが移りつつある。
米カリフォルニア州に本社を置くマーケットサイクは株価予測に役立つ、人々の投資心理を指数化している。一方、ボストンに本社を置くジャナは携帯電話を使ってアフリカ市場の消費者調査を手掛ける。
どんなビジネスなのか。それぞれ見てみよう。
マーケットサイクのリチャード・ピーターソンCEO(最高経営責任者)は「株価は企業の業績に左右されるが、それに加えて投資家の心理の影響も大きい(写真1)。それを指数化すれば先が読みやすいと考えた」と同社設立の動機を語る。
同社は独自の分析手法を用いて「投資家心理指数」を作成。平均株価から個別銘柄の指数まで需要に応じて作成する。米トムソン・ロイターと提携して、投資家に指数が届く仕組みも整えている。
もともとピーターソンCEOは投資家としてヘッジファンドも運営していた。「あらゆるデータを集めて熱心に株価動向を研究したが、なかなか思ったようには動かない。そこで投資家の思惑や心理を反映すればさらに正確な予測ができるのではないかと考えた」という。