休憩中の職場の活発度が高まると、受注率が向上する─。

 こんな話を聞いてあなたはどう思うだろうか。「そりゃ当然だ。職場が活性化していれば仕事のやる気も上がる」と思うあなたは調和を大事にするムードメーカー。「職場の雰囲気で売り上げが増えれば苦労しないよ」と言うあなたは、成果重視の現実派かもしれない。

 個人の価値観で判断が異なるこんな事象を、データで証明したのが、コールセンター受託運営大手のもしもしホットライン(図1)。2013年5月から一部のセンターで、社員同士のコミュニケーションやつながりの強さをデータで可視化するという斬新な取り組みを進めている。

図1●オペレーターの休憩中の活発度と受注率の相関を発見
図1●オペレーターの休憩中の活発度と受注率の相関を発見
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センサーで“つながり”を可視化

 その仕掛けが、電話応対するオペレーター300人が首に掛けている名刺大のICカード(図2)。赤外線センサーと加速度センサーが内蔵されている。ICカード同士が認識し合い、「誰と誰が、いつ、どれくらい対面していたか」や、オペレーターの体の揺れや傾きなどのデータを取得する。日立ハイテクノロジーズの「ビジネス顕微鏡」を活用する。

図2●管理者やオペレーター同士の「つながり」を図示
図2●管理者やオペレーター同士の「つながり」を図示
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