スペイン・バルセロナで2014年2月24日から27日にかけて開催された「Mobile World Congress 2014」(MWC2014)。無線通信技術の分野では、キャリアアグリゲーション(CA)の3バンド、4バンド対応や5Gの話題に加えて、免許不要帯でLTE-Advancedを運用するという新たな周波数利用形態の提案も目立っていた(関連記事:4バンドのCAで500Mbps超も、力業の高速化競争が続く)。

 このような免許不要帯でのLTE-Advancedの運用は、昨年後半に米クアルアコムが提唱。無線LANなどで利用する免許不要帯である5GHz帯を、既存のライセンスバンドとキャリアアグリゲーションで組み合わせ、キャパシティーの向上用途に使う形などを想定している(写真1)。クアルコムによる提唱後、賛同者が次々と現われ、議論が活発化し始めているという。

 MWC2014のクアルコムのブースでは、同社が最近、本社がある米国サンディエゴ周辺で実施した実証実験の様子をビデオで紹介していた(写真2)。5GHz帯は誰もが自由に使えるバンドであるため、干渉を発生させないためには、ほかに同じバンドを利用していないか、実際に電波を送受信する前に問い合わせが必要になる(Lissen Before Talk)。

写真1●米クアルコムが紹介する免許不要帯でのLTE-Advancedの活用
写真1●米クアルコムが紹介する免許不要帯でのLTE-Advancedの活用
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写真2●同社の本社がある米国サンディエゴで実施したデモの様子をビデオで紹介していた
写真2●同社の本社がある米国サンディエゴで実施したデモの様子をビデオで紹介していた
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 デモではSSIDが公開されている5GHz帯の無線LANアクセスポイントと、Hiddenモード(ステルスモード)の5GHz帯無線LANアクセスポイントを用意(写真3)。その間に無免許帯を使うLTE-Advancedの基地局を設置し、それぞれのアクセスポイント、LTE-Advanced基地局でスループットが最大化できるように、利用するチャンネルを周期的に切り替えていく様子を見せていた(写真4)。

写真3●デモの構成
写真3●デモの構成
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写真4●それぞれのアクセスポイント、LTE-Advanced基地局でスループットが最大化できるように、利用するチャンネルを周期的に切り替えていくような様子を見せていた
写真4●それぞれのアクセスポイント、LTE-Advanced基地局でスループットが最大化できるように、利用するチャンネルを周期的に切り替えていくような様子を見せていた
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