Bitcoinはオープンソースのデジタル暗号通貨の一つである。流通が始まったのは2009年1月だが、ここにきて急激に関心が高まっている。

 一般通貨と比べた時、Bitcoinの最大の特徴はそれを管理する中央機関を持たないこと。円の価値は日本政府の信用力に基づくが、Bitcoinの取引や発行はBitcoinのエコシステム全体で行われる。つまりBitcoinはそれ自体に価値があるという前提が必要で、これをユーザー間で共有できて初めて“通貨”となる。

 Bitcoinのメリットは「P2Pでの送金が可能」「決済の際に事業主が負担する手数料が圧倒的に少ない」「チャージバックのリスクがない」などがある。政府など権力者が資産を没収したり口座を凍結したりするリスクは皆無だ。これに対し例えばユーロをみると、2013年3月に経済危機に陥ったキプロスに対する金融支援の条件として銀行預金への課税が持ち出された。

 なおBitcoinの取引所は、Mt. GoxやBitstamp、Coinbase、Blockchainなどがあり、米ドルやユーロ、円などをBitcoinに手軽に両替できる。ウォレットサービス(無料の口座)も提供している。

 一方、デメリットとして指摘されているのは、Bitcoinのシステム自体がデフレ効果を有する点。発行量の上限が2100万単位までと決められている。経済圏が拡大するにつれ、早期に入手したユーザーほどBitcoinを手放さない傾向が強まる。決済手段としてBitcoinを利用するインセンティブが生まれないと、その市場取引量が低下してしまう。

為替市場と決済市場の観点でみる

 Bitcoinも通貨とうたわれている以上、一般通貨のように為替市場や決済市場の観点から見ていく必要がある。