台湾などのODM(相手先ブランドによる設計/製造)ベンダーが販売する、ネットワークOSを搭載しない「ホワイトボックス・スイッチ」や「ベアメタル・スイッチ」。このホワイトボックス・スイッチに独自のネットワークOSを組み合わせて販売を始めたのが、米ピカ8(Pica8)や日本のACCESSである。

写真1●ACCESSの専務執行役員兼最高技術責任者(CTO)を務める石黒邦宏氏
写真1●ACCESSの専務執行役員兼最高技術責任者(CTO)を務める石黒邦宏氏
(撮影:新関 雅士)

 「ネットワーク機器に必要な機能をソフトで実現するSDN(Software Defined Network)の世界では、スイッチのハードはコモディティー化が進むと言われていた。しかし実際には、安価なスイッチがなかなか登場していない。そこでソフトメーカーである当社が、ハード市場に参入した」。2013年10月にネットワークスイッチ「AEROZ(エアロス)」を発売したACCESSで、専務執行役員兼最高技術責任者(CTO)を務める石黒邦宏氏(写真1)はこう語る。

 同社のAEROZは、高さ1Uの筐体に10ギガビット・イーサネットのポートを48個搭載するToR(トップ・オブ・ラック)スイッチだ。価格は120万円で、大手メーカー製の3分の1以下という水準だ。価格が安いのは、AEROZのハードウエアが台湾のODMベンダーであるクアンタ・コンピュータから調達したホワイトボックス・スイッチだからである。