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Dr.澤 ITを再生する診療録

「何か見つかるかもしれないから全部出して」でいいの?──ビッグデータについて考える

澤 智博=帝京大学医療情報システム研究センター教授 2014/04/11 日経コンピュータ

 個人情報、プライバシーの問題は、ITプロフェッショナルには切っても切り離せないものだろう。実際ITProでも、「パーソナルデータに関する検討会」のような政府の主導する会合(写真1)の記事をはじめ、個人情報の漏洩や悪用による事件など、毎日のように関連記事が掲載されている。

写真1●「パーソナルデータに関する検討会」冒頭で挨拶する山本一太IT政策担当大臣
2013年11月22日の第4回会合より(撮影:編集部)。
[画像のクリックで拡大表示]

 ちなみに筆者は、ビッグデータ活用に関しては決して否定的ではない。それどころか、いくつかの試みも行っている(関連記事:ビッグデータ活用の“特効薬”はあるのか?)。

 一方で、当事者にでもならない限り、これらの問題に対して実感が薄いのも事実だと思う。プログラミングなどのITスキルと違って、職場ですぐに役立つことも少ない。ましてや、医療においての個人情報やプライバシー問題は、「病名などの機微な情報」と抽象的に括られてしまい、現実感が更に薄いのではないだろうか。

 今回は、法律論ではなく、身近な問題としての医療の個人情報やプライバシーの問題を考えたい。

個人情報保護法で家族に病名を伝えられない

 ただし、個人情報保護法は避けて通れない。「法律論を避けると言ったのに~」という苦情が聞こえてきそうだが、少々お付き合い頂きたい。

 病院などの医療施設も、もちろん個人情報保護法の対象になっている。個人情報保護法が2005年に施行されて以来、医療現場も影響を受けてきた。

次ページ以降はITpro会員(無料)の方のみお読みいただけます。

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