FiveThirtyEightという政治関連のWebサイトを立ち上げ、2008年の米国の大統領選挙において50州のうち49州の結果を当てたことで一躍有名となったネイト・シルバー氏。そんなシルバー氏が、失敗例や成功例を交えながら、予測の考え方やアプローチ方法を自ら解説した本だ。600弱というボリューム感たっぷりのページ数だが、語り口は平易で、ぐいぐいと読ませる内容だ。

 シルバー氏が解説する予測手法は、基本的にはオーソドックスな確率論的なアプローチ。ベイズ統計の手法などを解説しながら、なぜ気象予報やチェスは予測がしやすく、地震や経済は予測が外れることが多いのかなど、対象となる分野ごとの特性の違いにも触れている。

 逆に言えば、このような統計手法に基づかない予測があまりにも世の中に溢れていることが、シルバー氏に注目が集まる理由だろう。

なぜなぜ分析 管理


シグナル&ノイズ
ネイト・シルバー 著
川添節子 訳
日経BP社発行
2520円(税込)