人間の手を介さずに機械同士が連携し、データのやり取りや処理を行う技術「M2M」(Machine to Machine)。このキーワードが登場したのは10年ほど前だが、ビッグデータ分析や「モノのインターネット」(IoT=Internet of Things)を実現する中核技術の一つとして、改めて注目を集めている。

 本書は、国際的な標準化団体であるETSI(欧州電気通信標準化協会)が定める規格を中心に、M2Mで使われる基本的な技術について網羅的に解説する。「(水道使用量や電力消費量などの)スマートメータリング」「電子健康管理」「車両搭載システム」といった五つの主要な用途に関する概説をはじめ、M2Mシステムの構築に必要なネットワーク技術やプロトコル(無線通信やTCP/IP関連など)、システムアーキテクチャーおよびその構成要素(モデルやフレームワーク)、セキュリティ技術などを具体的かつ詳細に記述した。M2Mを技術的側面から体系的に押さえたいエンジニアにお薦めだ。

M2M基本技術書


M2M基本技術書
David Boswarthick/Omar Elloumi/Olivier Hersent著
山崎 徳和/小林 中 訳
リックテレコム発行
3570円(税込)