既存市場を侵食する4大変革の一つである「スマートマシン」は、ホワイトカラーという職種の未来に大きな影響を与える。人の能力が勝ると見られたエリアで、スマートマシンの能力が人間を凌駕し始めたからだ。

クイズ王を破ったWatsonが医療や顧客支援

 スマートマシンの代表として取り上げられることも多い米IBMの質問応答マシン「Watson」。2011年に米国のクイズ番組でクイズ王を破ってから3年余りが経過し、実ビジネスへの応用が始まっている(図1)。例えば医療分野では、メモリアル・スローン・ケタリング癌センターという米国でトップクラスの医療機関が医師の医療診断の補助目的にWatsonを利用。米クリーブランド・クリニックでは、医師国家試験の勉強のために、学生がWatsonをツールとして利用する研究を進めている。

図1●実ビジネス分野への応用が始まっている「スマートマシン」
図1●実ビジネス分野への応用が始まっている「スマートマシン」
代表的な例として知られるのが米IBMの質問応答マシン「Watson」。既に医療分野や顧客サポート分野への応用が始まっている。
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 さらに顧客サポート分野でのWatsonの応用も2013年5月に始まった。オーストラリア・ニュージーランド銀行などがコールセンター業務にWatsonを利用する実証実験を開始している。「同僚が機械」となるような未来が、既に現実化しつつあるわけだ。